黒い馬が、砂煙の中を突き抜けてくる。
その背にいるのは、怒りだけで動いているような武将だった。
けれど、その目にあるのは怒りだけではない。
一族を失った悲しみ。
戻れない場所への悔しさ。
そして、もう止まれなくなった者だけが持つ、重たい覚悟。
槍の先が敵の盾にぶつかり、火花が散る。
その一瞬の光が、暗い戦雲の下で馬超の顔を照らしている。
華やかな勝利の場面ではない。
英雄が名を上げる場面でもない。
これは、胸の奥に沈んだ痛みを抱えたまま、
ただ前へ進むしかなかった男の姿だと思った。
黒馬の息づかい、舞い上がる砂、背後に続く騎兵たち。
画面いっぱいに迫ってくるのは、戦の勢いというより、
ひとりの武将の感情そのもののように見える。
馬超孟起。
この一枚では、ただ強いだけの猛将ではなく、
悲しみを怒りに変えて突き進む、悲劇の英雄として描かれている。
暗い空の下で光る槍先が、もう引き返せない運命を指しているようだった。
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