2026年8月6日木曜日
夜空へ手を伸ばした、夏の花火大会
川沿いに並ぶ屋台から、焼きそばの香ばしい匂いと、りんご飴の甘い香りが漂っていました。
赤い提灯がやわらかく揺れ、浴衣姿の人々が、今か今かと夜空を見上げています。
やがて、川の向こうから大きな音が響きました。
次の瞬間、金色の花火が夜空いっぱいに広がります。
少し遅れて赤、青、紫の花火も次々と咲き、静かだった夜が一気に鮮やかな光で満たされました。
川面には花火の色が長く伸び、小さな波に揺られながら、まるでもう一つの夜空が水の中にあるように輝いています。
人混みの中央では、白い浴衣を着た女性が、花火へ向かってそっと手を伸ばしていました。
もちろん、その手が夜空へ届くことはありません。
それでも、あまりにも大きく美しい花火を見ていると、ほんの少しだけ近くに感じたくなるのかもしれません。
屋台の明かり、楽しそうな話し声、子どもたちの歓声、川を渡る夜風。
そして、胸の奥まで響く花火の音。
夏の花火大会には、写真だけでは残せないものがたくさんあります。
その場の匂いや空気、隣にいた人の表情、花火が消えたあとの暗い夜空まで、すべてが一つの思い出になっていきます。
大きな花火は、ほんの数秒で消えてしまいます。
けれど、その一瞬の光景は、何年たっても心の中に残り続けることがあります。
今年もまた、誰かが夜空へ手を伸ばしながら、忘れたくない夏の一瞬を見つめているのかもしれません。
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