2026年6月1日月曜日

戦場の光と蝶

戦場の光と蝶

黒い雲が、空を覆っていた。

戦場には、まだ終わらない気配が残っている。
折れた旗。
沈んだ土。
遠くに消えていく兵の影。

その中で、伊達政宗は静かに立っていた。

手には刀。
背には重い甲冑。
兜の三日月は、暗い空を切るように伸びている。

けれど、その目が見ていたのは、敵ではなかった。

雲の隙間から、一筋の光が差していた。
その光の中を、一匹のアゲハ蝶が飛んでいる。

戦場には似合わないほど、小さくて、静かな命だった。

刀を握る手に、少しだけ力が入る。
勝つこと。
生き残ること。
守ること。
そのすべてを背負ってきた男の前に、蝶はただ何も知らないように舞っていた。

黒い雲は重く、世界はまだ暗い。
それでも、光は完全には消えていなかった。

アゲハ蝶が照らされている場所だけが、別の世界のように見えた。
まるで、戦の先にも何かが残っていると告げているようだった。

政宗は、空を見上げたまま動かなかった。

強さとは、斬ることだけではないのかもしれない。
暗い時代の中で、たった一筋の光を見失わないこと。
小さな命に気づける心を、まだ失わないこと。

この画像には、そんな静かな余韻がある。

戦場の重さと、光に包まれた蝶。
その対比が美しくて、どこか胸に残る。

暗い雲の下でも、希望は大きな姿で現れるとは限らない。
時には、一匹の蝶のように、ふと空を横切るだけなのかもしれない。


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