2026年5月17日日曜日

時代を越えて咲いた花火

時代を越えて咲いた花火

城の高楼から見上げた夜空に、
見たこともない花火が咲いていました。

それは、ただ大きいだけの花火ではありません。
夜空いっぱいに光の粒が広がり、
花のように開き、龍のように流れ、
星の道のように遠くまで続いていました。

姫は言葉もなく、
その光を静かに見上げていました。

肩には、小さな黒猫。
黒猫もまた、姫と同じ方を向いて、
夜空に咲く不思議な光を眺めています。

城下町には、いくつもの灯りがともり、
川面には花火の光が細かく揺れていました。
金色、淡い青、薄紅色。
そのすべてが水の上でほどけて、
まるで空と町がひとつにつながっているようでした。

戦の気配がどこかにある時代でも、
人はきっと、美しいものを見上げる時間を求めていたのだと思います。

強さだけではなく、
勝ち負けだけでもなく、
ただ心を奪われるような一瞬。

この花火は、姫にとって未来だったのかもしれません。
まだ誰も知らない時代から届いた、
小さな希望のような光だったのかもしれません。

黒猫の背中にも、
姫の着物にも、
その光はやさしく降り注いでいました。

時代が違っても、
夜空を見上げてきれいだと思う気持ちは、
きっと変わらない。

そんなことを感じさせてくれる、
静かで幻想的な一枚です。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます

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