城の高楼から見上げた夜空に、
見たこともない花火が咲いていました。
それは、ただ大きいだけの花火ではありません。
夜空いっぱいに光の粒が広がり、
花のように開き、龍のように流れ、
星の道のように遠くまで続いていました。
姫は言葉もなく、
その光を静かに見上げていました。
肩には、小さな黒猫。
黒猫もまた、姫と同じ方を向いて、
夜空に咲く不思議な光を眺めています。
城下町には、いくつもの灯りがともり、
川面には花火の光が細かく揺れていました。
金色、淡い青、薄紅色。
そのすべてが水の上でほどけて、
まるで空と町がひとつにつながっているようでした。
戦の気配がどこかにある時代でも、
人はきっと、美しいものを見上げる時間を求めていたのだと思います。
強さだけではなく、
勝ち負けだけでもなく、
ただ心を奪われるような一瞬。
この花火は、姫にとって未来だったのかもしれません。
まだ誰も知らない時代から届いた、
小さな希望のような光だったのかもしれません。
黒猫の背中にも、
姫の着物にも、
その光はやさしく降り注いでいました。
時代が違っても、
夜空を見上げてきれいだと思う気持ちは、
きっと変わらない。
そんなことを感じさせてくれる、
静かで幻想的な一枚です。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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