2026年5月25日月曜日

空へ続く石の階段

空へ続く石の階段

街の灯りが、まだ眠りきれないまま
地平線の向こうまで続いていました。

ビルの窓には小さな光が並び、
道路には車の光が細く流れ、
橋も、線路も、川のように街を渡っていました。

そのすべてを見下ろす場所に、
古い石の階段がありました。

階段は空へ向かって、
まっすぐに伸びていました。

どこまで続いているのか、
上を見ても終わりは見えません。

石は少し欠け、
すき間には小さな草が生えていました。

長い時間、
誰かの足音を受け止めてきたような階段でした。

その途中に、ひとりの人物が立っています。

登るのか。
戻るのか。

その背中は、まだ答えを出していないように見えました。

下には、どこまでも続く都市があります。

そこには暮らしがあり、
迷いがあり、
誰かの今日がありました。

けれど、上にはまだ見たことのない空があります。

夜が少しずつほどけて、
深い青の中に朝の光が混ざっていきます。

階段の先に何があるのかは、
誰にもわかりません。

それでも、足を止めたまま見上げる時間にも、
きっと意味があるのだと思います。

進む前の静けさ。

戻る前のためらい。

そのどちらでもない場所に、
人はときどき立つのかもしれません。

果てしない都市の上で、
果てしない階段を見上げながら。

少し寂しくて、
それでもどこか希望のある朝が、
ゆっくりと始まろうとしていました。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます

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