2026年4月18日土曜日

小さな光を握りしめた夜、タヌキの親子が教えてくれたこと

タヌキの親子

古いお寺の裏、
誰も気に留めない石段の下に、
小さなぬくもりがありました。

落ち葉に包まれたその場所は、
世界から少しだけ隠されたような、
やさしい空間です。

そこにいたのは、タヌキの親子。

子ダヌキは、小さな手で
一枚の葉っぱを大事そうに持っていました。

その葉っぱは、
まるで気持ちに応えるみたいに、
ほんのりと光を灯しています。

強い光じゃない、
誰かを照らすためでもない、
ただ、そこにあるだけのやさしい光。

子ダヌキはそのまま、
お母さんに顔をくっつけます。

安心したように、
少しだけ口を開けて、
うるんだ瞳でこちらを見ていました。

お母さんタヌキは何も言わず、
ただ静かに寄り添って、
その小さな存在を包み込んでいます。

守るでもなく、教えるでもなく、
ただ「ここにいていい」と伝えるように。

夕方と夜のあいだ、
世界がやわらかくほどける時間の中で、

この親子は、
何か特別なことをしているわけじゃありません。

でも、なぜか思うんです。

本当に大切なものって、
こんなふうに、静かで、あたたかくて、
気づかれない場所にあるんじゃないかって。

強く光らなくてもいい。
誰かに見せなくてもいい。

ただ、そばにいるだけで、
それだけで満たされる時間がある。

その小さな葉っぱの光は、
きっと“幸せ”そのものだったのかもしれません。

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